ここでは、ＧＵＲＰＳ　シガンにおける一般的な概要を、ＧＵＲＰＳのルール的な側面
から取り上げます。

• ＴＬ：５（６＋）。特に<冶金>と<鍛冶屋>はＴＬ５（８）、<爆発物>はＴＬ５（９）、<コ
  ンピュータ・プログラミング>はＴＬ９と、かなり進んでいます。

• 異種族：シガン世界にはたくさんの異種族が住んでいます。彼らは、（大抵の
  場合は）他の種族と平和裏に共存しています。

• 規制レベル：一部の例外を除いて規制レベルが３以上になることはまれです。

• 取得が禁止される特徴：シガン世界では、魔法や超能力、妖術が「公共の福
  祉」を実現する手段として一般的に用いられています。そのため、有利な特徴
  として（オフにできない）「魔法の耐性」や「超能力の耐性」を取得することはで
  きなくなります。（もし取得している人がいたら、それ自体が犯罪となります。）

• 取得が制限される特徴：ベーシックにおいて、「異種族やスーパーヒーローの
  ためのもの」とされている特徴や、妖力のほとんどは（種族の基本セットとして
  含まれている場合を除いて）取得できません。

• 意味のない技能：シガン世界に存在する全ての魔法の形式は一般によく知ら
  れているので、<神秘学>技能の意味がなくなります。（<神秘学>で判定するよ
  うなことは、シガン世界では全て<魔法理論>の判定になります。）

• マナ：基本的に密で、一部濃密です。マナが濃密な場合、「全ての魔法に−５
  の修正がかか」ったり、「魔化系を含む複数の系統の呪文に＋１の修正がか
  かる」ような極端な「相性」を持つことが多いので、そのような場所はほぼ間違
  いなく錬金術の研究所やパワーストーン置場、魔化の工場とされていて、ＰＣ
  が直接関わることはまずありません。

• 魔法、超能力等に関する特殊ルール：ルーン魔法、即興魔法、僧侶魔法、超
  能力の応用の全てのルールを採用します。ただし、ＰＣの持つ全ての超能力に
  は「抵抗できる」（−２５％）の限定をかけるように求められる場合があります。

• 魔法、および魔法使い：日常の一部です。

• 魔法等に関する規制：《悪魔召喚》、および《大祈願》をはじめとする「その使用
  により（半）永久的にＣＰ総計が減少する可能性がある」魔法の使用は基本的
  に違法です。（ただし、「神」が《大祈願》と同様の能力を使うことはあります。）
  また、（現在の）シガン世界には、錬金術師ギルドは（崩壊したため）存在しませ
  ん。そのため、霊薬の調合表は基本的に全て公開されています。

• ギルド：高度な火薬（最大ＴＬ９相当）の作成を行い、その技術を前提条件とした
  魔法を教える火薬ギルド以外のギルドは（崩壊して）存在しません。火薬ギルド
  は、シガン世界の市場の全ての銃器と弾薬、火薬の取引を支配しています。

• 魔法の品物：ものにもよりますが、ほとんどの魔法の品物は、シガン世界では
  日用品から高級家具のような感覚で取引されます。

• 魔化：「ゆっくり確実な」方法で魔化を行う魔術師が奇異の目で見られるほど、
  「手軽で危ない」魔化が一般に普及し、 新しい魔法の応用その２ を用いたマジ
  ックアイテムの大量生産が行われています。

• 神や高位の存在：人々に混じって、多くの「神」が（自らの力を封印して）生活し
  ており、マナが濃密な地域と同じくらいの確率で出会います。
  また、「祝福」は、《神託》の呪文を使えるようになるもの以外はごく一般的です。
  （ただし、「神託の素質」は存在します。）

• 僧侶魔法：一般の魔法と何の変わりもないものです。

• 遺失呪文： 新しい魔法のデータその１ 、 新しい魔法のデータその２ 、マジック
  【完訳版】およびグリモア【完訳版】のいづれにも載っていない魔法は全て遺失
  呪文として扱います。なお、一部の遺失呪文は存在しないわけではなく、「知る
  人」という人々によって独占されているだけです。（その存在が隠されているの
  は大きな利害関係が絡んでいるためですが、ＰＣは基本的に「知る人」になるこ
  とはできません。）

• 独自の呪文：基本的に存在しません。

• テレポート：テレポートは、転移先にある物質ととにかく「交替」する形（サイオニ
  クス、１９４ページを参照してください。）で行われ、「押しのけ」型の転移の限定
  （サイオニクス、１４８ページを参照してください。）をかけることはできません。
  また、妖力の「先回り」では移動できる距離に限りがあり、超能力や魔法では最
  低でも２１６分の１というとても高い確率でファンブルして破滅的な事故を起こす
  ので、移動手段として使われることはまずありません。

• テレパシー：一般的に使われますが、そこには厳しい礼儀作法があります。もし
  それを破ると、「神」の怒りを買って存在そのものを抹消されます。（少なくとも、
  一般的なシガン世界の住人はそう信じており、そのような事実が現実に存在し
  た、ということは間違いありません。）また、テレパシーは、 テレポート と同様の
  理由により通信手段として使われることはまずありません。

• 治癒の能力：一般的に使われています。

• 一般的な呪文：《持続陽光》《魔化》《火矢》《矢返し》《縄ほどき》《祝福》《聖〜》お
  よび、それらの前提条件となる呪文が特に一般的です。

• 格闘技の流派：シガン世界には《異次元召喚》の呪文が存在するので、あらゆる
  流派の格闘技が存在しえます。また、シガン世界独自の流派も存在しますが、
  「流派知識」は２０ＣＰが上限となります。

• 接近戦闘への法的規制：礼儀作法が重視され、厳格な慣習法が存在するもの
  の、シガン世界のほとんどの地域では近接戦闘に対する明文化された法規制
  は存在しません。

• マンガルール：「達人の指導」か「武器の達人」を持っているキャラクターはチャン
  バラ戦闘が可能です。また、そうでなくても「高レベル技能」による複数回攻撃を
  行うことができます。なお、１ターンに使える能動防御の数は通常通りで、マンガ
  技能の習得には「達人の指導」（ないし一部の技能では「武器の達人」でもかまい
  ません。）が前提条件になります。

• 消耗ダメージ、スタミナ・ポイント：いづれも使用しません。

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