火薬で主役に
シガン世界では、全ての火器と爆発物は火薬ギルドの統制下にあります。ギ
ルド員でな
い人も(連射1の)銃の購入、所持、(合法的な)使用はできますが、
その機構は全く分からず、単純な弾詰まりさえ直すことはできません。(ゲーム
的には、それらの修理等に使う技能を、技能なし値でさえ使えないわけです。)
そのため、故障した銃器を修理するためには高い金(目安は購入時の価格の
4割)を払って銃を火薬ギルドに預け、何節気も待たなければなりません。この
キャンペーンはそのような世界に不満を持つPCたちの物語です。
このキャンペーンでは、PCは全員火薬ギルドの(位の低い)ギルド員でなけ
ればなりません。(ギルド員でないと火薬についての知識が全くありませんし、
高位のギルド員は現状に満足しています。)ゲーム的には、「財産/富裕」とそ
れに伴う「地位」でギルド員であることを表します。当然ですが、火器や爆発物
を扱う(修理、開発する)技能も持っている必要があります。ただし、初期の段
階では技術レベル6以下の装備しか扱うことができません。より高度な技術は
「技術レベルが高い」(火器や爆発物にしか効果がない(−20%)、4CP/レ
ベル)を持つ高位のギルド員の間だけで独占されています。新しい銃器を開発
できれば自分の地位は上昇しますが、そのためには多額の上納金を納めて
新しい技術を教えてもらうか、多額の研究費を費やして研究を行う必要があり
ます。どちらも出費が非常にかさむので、多くは「ズル」ができないかと考える
わけです。
普通、このような「ズル」は非常に危険な行為です。ばれたが最後、全ての火
薬ギルド(特殊な装備を持つ非常に強力な組織)を敵に回すことになります。し
かし、火薬ギルドは大抵の戦争に関して中立を保つので、戦争で敵軍にいる
火薬ギルド員と戦っても火薬ギルドは何も言いません。そのため、PC(や敵の
火薬ギルド員)は志願兵となって「戦利品」を求めて戦うのです。新しい銃の弾
丸が1発でも手に入れば研究にボーナスが加わりますし、無傷で手に入れた
銃からは最高位の火薬ギルド員の間にしか知られていない秘密を読み解くこ
とができるかもしれません。
そのようにして多くの知識を手に入れたPCたちにとっては、その知識を用い
て火薬ギルドの最高位に上り詰めることも、その秘密を公開して火薬ギルドを
崩壊させることも簡単でしょう。
反乱軍
エジス帝国では、エジスの人間が支配種族となり、それ以外の(知的)種族を
奴隷用、食用として「飼って」います。また、エジス以外の人間は「二等市民」と
して扱われています。エジスの「狩人」たちは他よりも進んだ技術と戦術をもっ
て先住民を狩って回っているのです。エジス帝国の社会は階級が非常にはっき
りと分かれており、複雑怪奇な作法が非常に重要な意味を持っています。また、
現在のエジス帝国の支配階級(エジス皇帝と貴族)は非常に残虐な本性を表す
ことがあります。
かつて、ニョーナ大陸に文明が花開いた頃から大陸には大きな王国が4つ―
アサード、ケレス、エジス、テス―存在しました。しかし、全ては時の流れととも
に変わりました。新しいエジス国王は、即位した直後から他の3国へ侵攻を開
始したのです。(このとき、火薬ギルドは中立を宣言していました。)3国は果敢
に戦いましたが、核兵器まで平然と用いるエジス王国には敵うはずもありませ
ん。この戦争の後にエジス王は皇帝を名乗り、人間中心の法律を押し付ける
エジス帝国が誕生するのです。
今、エジス帝国が誕生してから2大年が過ぎ、全く勢いの衰えないエジス帝国
に対して反感が高まってきています。大人しく奴隷となっている種族でも、密か
に指導すれば徒党を組んで反乱を起こすかもしれません。ばれると非常に残忍
な方法で処刑されるので、エジス帝国を転覆させようとする活動は極秘の内に
進められていきます。
このキャンペーンでは、PCはそのような反乱軍のメンバーです。迫害されてい
る側の人間でも、エジス帝国内の階級社会にうんざりしているエジス国民でもか
まわないでしょう。(残念ながら、GURPS シガン(第4版簡易版)ではPCが人
間以外の種族をやることはできません。)